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海賊党への対案を考えてみた その1

前回の続きです。

インタビューの答えがどうも変だという話でした。まあ、ただ彼らはこれを本気で実現するつもりではなく、注目を受け、人々に議論を起こすためにあえて極端な主張をフッかけている可能性も考えられるので、細かいことにいちいちツッコミを入れても仕方がないのかも知れません。自分はダウンロード違法化反対著作権保護期間延長反対特許制度にやや疑問を持っているネット時代のプライバシーを憂えている、と、ベクトルはあっているのだから、ここは支持と言っておいた方が得策なのかも…ですが、とりあえずは不支持と言っておきます。極端な主張はおもしろいですけれども、ときに暴走しますから。

極端ではない対案を考えてみました。



1. 著作権の保護期間は、死までもしくは発表時から28年

著作権は自然な財産権であると思うので、生きている人間から取り上げるのは正しいとは思えません。その存命中は権利も存続すべきです。が、相続されるのはおかしいので一身専属であるべきです。相続されればされるほど、権利関係が複雑になって利用したい場合に誰に許可を取ったら良いのか分からなくなります。

例えば、イソップ童話を利用したい場合を考えてみましょうか。イソップ童話は、紀元前のギリシャの作家アイソーポスの作とされていますが、その著作権が相続されているとしたら今誰の手元にあるんでしょう?遺産分割は相続人となりうるもの全員でやらなければなりません。この手の権利について遺産分割がなされないときは、全員がその権利を持つことになります。適法に利用しようと思えば、子孫全員にもれなく許可を取らなければなりません。子孫は一体何人いるんでしょう、利用は絶望的になります。代々漏れなくきっちりと著作権を単独相続してきたならば話は別ですが、そんなことを期待できるでしょうか。また、故人のその作品に込めた思いや、その人間性について一切知り得ない世代が、我が物顔で作品を管理するのも変な話です、人のアイデンティティにどのくらいの影響があるのかもよく分からない遺伝子を、薄ーく持っているというだけで。

よって、相続を許すべきではありません。そもそも、ほとんどのまともな近代国家では著作権の相続は認められていないですしね。たぶんここは議論するまでもないところだとは思いますが、一応書きました。

が、団体や法人、無名変名の著作物など、自然死が明確でないもしくはないものも存在します。それらについては明確な期間を区切らなければいつまでも著作権は存続し、権利関係が不明瞭になったり、社会に還元されないことになってしまいます。

そこで、28年という期間を提案します。28という数字は米国の旧著作権法の保護期間からもらっています。旧法下の米国では、方式主義で、発表時から28年、延長措置をとればさらに28年の計56年が保護期間だったそうですが、85%の著作物は延長措置をとられず、28年で失効していたんだとか (著作権延長法がなければ――パブリックドメイン研究センターが文化的損害を嘆く - ITmedia News) 。つまり、それ以上伸ばす価値が85%はないということです。15%については無視する形になりますが、それは社会に還元される価値ということで…

死んだ人間の権利が存続するってのもおかしな話だと思うんですが、今世界的にベルヌ条約によって死後も権利を50年も存続させなければならない決まりになっています。俺にはその必要性がよく分かりません (ロースクールに通う私の友人も、この話題を振ってみたら「権利者のない権利などあってはならない」と言っていました、世界的に条約で決まっていると教えると、「じゃあその条約がおかしい」だそうです) が、どうしても必要だというのなら、死後一律ではなく、死後存続する権利も発表時起算というのはダメなんでしょうか?つまり、例えば五十歳で亡くなった作家が二十歳の時に書いた作品は死と共に権利消滅、四十八歳の時に書いた作品は死後二十六年権利が存続するというのはどうでしょう。

ところで、私は著作権の財産権としての面だけを言っています。著作者の人格権や、遺族の著作者に対する名誉感情の問題はまた別です。これについては、日本の現行著作権法でも著作権の財産権とは違う扱いをしており (六十条、百十六条) 、俺はこれでいいと思っています。

続く

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テーマ : 著作権・特許権
ジャンル : 政治・経済

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