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一票の格差に違憲状態判決、しかし選挙得票と議席の格差は…

一票の格差問題、もちろん問題だと思います。これは正されねばなりません。現段階で違憲状態だと思います。まあ例え裁判所が今すぐ違憲無効判決を出して選挙やり直しを命じても、格差是正が終わっていない以上違憲状態のまま選挙に突入せざるを得ないのでこれ以上踏み込んだ判断は難しいでしょう (11月20日に下る注目の最高裁判決 | 塩田潮の政治Live! | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト 停止条件付き無効判決というアイディアが載っている、これはこれで面白い)

しかし、それはそれとして。政党別の得票率と議席獲得率の乖離はこのままでいいのかと。日経新聞の記事によりますと、2012年12月の選挙で自民党は43%の得票で79%の議席を獲得したそうで。民主党はその半分強の23%という得票はしたものの、議席獲得率はたったの9%だそう。この前の2009年の選挙も確かこれがひどかったという記憶があり、ネットで検索したところ。上脇博之 ある憲法研究者の情報発信の場 さんによると、民主党が47.4%の得票で73.7%、自民党はそれから10ポイントも違わない得票率38.6%で21.3%しか議席が獲得できなかったそうです。

ここまで国民の投票行動と選挙結果が乖離しているのは許されるのでしょうか?もちろん、それに対しては反論が付くでしょう。各選挙区それぞれでは公正な選挙が行われていたんだと。わかります、もちろん分かります。しかし、上に貼った日経の記事によりますと、死票率が53%もあった (注) ということですよ。半数を超える有効票が捨てられたんですよ?制度だけをちょっといじって票を数えなおせば全く別の結果が生まれうるってことですよ。

ああー、それももちろん分かります。それは小選挙区制としては当然のことです。だって、三人の、ほぼ人気の拮抗した候補者が立ったなら、たちまちその選挙区の死票は60%を超えましょう。その割には良心的な数字かも知れません。

でも、でもですよ。そこまで死票を出す、票の半数超が捨てられることを当然としている選挙制度、おかしいとは思いませんか?国会議員の選挙制度として適切でしょうか?一枠を争う首長選・代表選じゃないんですよ、そういうのだって過半数を取れなければ決選投票を行うこともあるのに。

選挙制度は何のためにあって、何を目指すべきなのか、なんて本気で話しだしたら多分本一冊でも収まらないだろうと思いますが、ひとつ俺にもはっきりと分かるのは、不公正・不適切な選挙は許されないということです。憲法の前文にも書いてありますね、「正当に選挙された」と。この「正当」の文言にその意味がこめられているはずです。そんな一単語を持ちださなくとも、日本は国民主権の議会制民主主義を採る国である以上、選挙が公正で適切なものでなければならないというのは当然のことです。何をもって公正・適切・正当とするかは難しいでしょうが、小選挙区制に大きな疑問はつくと思います。

私は小選挙区制を不適切なものとして排し、別の選挙制度に移行することを求めます。とにかく小選挙区制は廃止方針でやってほしいです。一票の格差の是正はこれとセットにやってほしいです。

注: 53%の票が捨てられたと書きましたが、もうちょっと言うと、自分の選挙区に投票したい候補者、それは仕方がないにしても支持政党の候補すら立っていないということもあります。そういう人たちの意思はこれまた吸収できないわけで、国民の意思と議席の乖離はこの数字よりも更に大きくなります。彼らはハナから選挙に興味がない人とは違います。



小選挙区制でなければ小政党が乱立する、小選挙区制こそ安定した政権が築けるのだ、という反論が聞こえてきそうですが、これは民主党政権が必ずしもそうではないことを証明しています。大多数をとってもその政党が強固な力を持てるとは限らず、民意が集中するとも限りません。というか、民意が二点に集中できる国は、他のことがどうでも良くなるほど強烈なねじれ・分裂が社会に生じている国ではないでしょうか。だからこそ彼らには二大政党がふさわしいのです。幸か不幸かそういう構造がない日本では定着するとは思えません。ちなみに少数政党の乱立状態でも政権にそれなりの基盤・根拠をもたせる方法として、首相を公選制にしてみてはどうかというアイディアも聞いたことがあります (ただ、これは後述の「ふわっとした民意」問題があるので解決策とは言えないかも) 。

小選挙区制でなければ、組織力のある既成政党が有利になってしまって民意が反映されない、という意見もありそうですが。こういう主張をしている人の「民意」の意味するところは、橋下徹氏の言うところの「ふわっとした民意」ですよね。ふわっとした民意に政権を委ねることが如何に問題か、もうみんな学んだんじゃないですか。民主党政権とか。根拠がふわっとしたものしかないから、政策決定能力がなく、一貫した政策を取れず、すなわち政権担当能力がなかったのではないでしょうか。

意外に組織って重要ですよ。組織力というものが、日本の政治ではタブー視されている向きがありましたが、もし人が集まって組織を作ることが間違いだというなら、じゃあ、会社はなんですか。学校はなんですか。労働組合はなんですか。行政はなんですか。もっと言えばそもそも国はなんですか?

一年前に自分は政党ブラックボックス論を唱えました。それを撤回するのかと言われれば、全くそんな気はありません。今でも党の重鎮の鶴の一声みたいなのは大嫌いです。某氏とか某氏とかの動き、それに従う下々の議員の構図。反吐が出ます。

俺が思うのは、もっと日本の政党が、広く一般市民に開かれたものにならないかな、ということです。自分がどこかの政党に所属しているわけじゃないので偉そうな口は聞けませんが、例えば、米国は大統領の党内での候補者を決めるために、民主・共和とも一年近く各州を回ってお祭り騒ぎになりますよね。あれが理想の姿とは思いませんよ、あれは要するにあれができる資金力のある人しか大統領になれないってことですから。でも、政党って、単なる議員連盟じゃなくて、ああいうふうな国民の組織であるべきなんじゃないですかね。もっと広く一般市民が政党の意思決定に関われるようになれば、党の重鎮某氏の影響力ってのも小さくなってくれるんじゃないですかね?

それさえできるなら、全国一区の比例代表制もひとつの手だと思います。一票の格差、総得票と議席の格差、死票問題を一挙に解決できます。ああ、じれったい。そうなんですよ、制度をどうにかしたらほい解決とはいかない問題なんですよ、多分これ。でも、いずれにせよ少選挙区はダメです。米英では特殊な社会事情の下に認められるもので、本来は好ましくない制度だと思います。

また長くなってしまった、ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。

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違う見方もありますよ

「一票の格差があるのは不平等!」とついつい考えてしまうのは分かるのですが、
では「払う税金はみな同じ額でないと不平等!」でしょうか。

実際は、今日本で票を均等化してしまうと「人口の多い都市部から選出される議員」が増え、
「人口の少ない農村部から選出される議員」が減ってしまうのです。
その結果、より産業。金融重視の国家となってしまい、食料自給率が下がり、資源や電力に
過剰に依存する社会となってしまうでしょう。とても欧米の間接支配からの脱却どころではありません。

何より、もともと立場の弱い少数派(この場合は農村部だが、国によってはマイノリティの場合も)が
国政においてもやはり発言力が弱くなってしまうという問題があるのです。

Re: 違う見方もありますよ

裏の浦さん、コメントありがとうございます。
この前はお返事をサボってしまってごめんなさい。
SELinuxに関しては知識が少なく、うまくコメントができません…。
オープンソースに何とか期待したいものです。

では今回の話ですが、そうなんですよね。そういう問題もあります。
しかしまず、一票の格差というものが「正当な選挙」という概念において原則許されないということは
確認させてください。
その原則が崩れてしまえばおそらくもう民主主義ではありません。

では、この格差は原則に対する例外、というかやむ無き事情をもって定められたものでしょうか。
そうであればある程度は許されるべきなのかも知れません。
しかし、少なくとも衆議院においては違います。あえてそういった区割りをしているという話は一切聞いたことがありません。
あれは単なる制度の不備、乱暴な言い方をしてしまえば怠慢でしょう。

なお、参議院においては地方代表的役割が期待されているという話があります
戦後まもなく参議院設置が国会の議題となった時、そういう趣旨の発言があったことを大学で習いました
具体的に誰がいつ、どの議事録に載る発言をしたのか、ちょっと失念しましたが…
なお昭和58年4月27日の、1977年参議院選挙の一票の格差判決においてもその言及があります
それゆえか一票の格差も衆議院よりも遥かに大きな数が出ても合憲判断が出やすい傾向にあります

ならば、衆議院にはやはり原則どおり一人一票が厳守されるべきなのではないでしょうか。

ところで、少数派の発言力を弱くしてしまうことについて言及されていますが、
それだったら小選挙区制排除には賛同していただけるんですよね?

それと、税金の話をされていますが、税金も当然平等であるべきですよ。
消費税や人頭税のような一律課税が平等なのか、それとも累進課税こそが平等であるのかという考えの違いはあれど、
平等が原則であることについては一致しているはずです。
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