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ストリートビューとプライバシー

前回Google Chromeのプライバシーポリシーについて話をしたついでに、ストリートビューに関する俺の見解。雑多な内容ですが、もし時間があったら読んでみて下さい。



・まず、公開する云々の前に、勝手に写真を撮っちゃいかんでしょう。

とりあえず、日本の最高裁によって何人もその承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由は確認されています

人の顔を含む写真を許可なく (許可がとられていたとは聞いていない) 撮っちゃっているんだから、「修正して公開している」「削除要請に応じれば問題ない」という反論は通らなくなりますね。事前の断りなく写真を撮られたという事実だけでgoogleは権利侵害を行っていることになります。この判断自体はこの権利に例外が存在することを認めたものですが、ストリートビューはその例外には当たらないでしょう。緊急性も必要性も公益性もないんですから。

もちろん、憲法は私人対国家の関係を規律するもので、そのまま民対民の問題に適用できるものではないことは分かっています、が、だからといって憲法の考え方に明らかにそぐわないものであっても民対民だったら何でもありというのはおかしいでしょう。それに、巨大メディアと市民の関係を単純な民対民の構図で語ることも無理があると思います。持てる力が違いますから。



公道上で見えるものを撮影したのであり、それはプライバシーの侵害に当たらない、本当にそうでしょうか?

人が写り込んでいる写真は上の通りの問題があるとして、そうでないものはどうでしょうか。家の写真が許可なく撮られてネット上に曝されていることにも不快感を示す人はいます。これにGoogle側が答えて曰く、こういう話だと。

しかし、今回の場合は目線の高さから撮影しているわけではありません。自動車の天井にポールを取り付け、その上に特殊カメラを取り付けていたと聞きます。撮影車をこの目で見たわけではありませんが、ストリートビューの写真を見るとかなり高い位置からの撮影であることは分かります。実際に、塀などで遮蔽されている向こう側が見えている写真もあります。これでは「公道から見えるもの」という前提がだいぶ怪しくなってくると思うのですが。

それに、見えるものを見るのと、撮影し、保存し、ご丁寧に地図とリンクさせてネットで配信することには、だいぶ開きがありませんかね?



・削除されるのが一度公開状態に置かれてからでなければできない点も問題です。事前確認をしないということはそういうことです。

過去あった様々なプライバシー侵害事件、それらの例を出すまでもなく、一度なされたプライバシー侵害をなかったことにするのはほとんど不可能です。インターネットというメディアでは特にそれが難しいものです。今回の話においても、一旦googleによって削除された写真を、削除前に保存しておいて公開しているサイトはいくつかありました。

ところで、削除申請には応じてくれているようですが、原本は破棄しているのでしょうか。ネットから削除されたとしても、Googleの従業員は見ることができるとしたらそれはまた気味の悪いことです。例え彼らが破棄していると言っていたとしても、その真実性はどうやって確保されるのでしょう。俺は確認はしていませんが、苦情を送って公開停止させたはずの写真が、気がついたら復活していたと主張するネットの書き込みも見たことはあります。



現代社会に完全なプライバシーなどは存在しない。認めたくはないですが、当たっていると思います (リンク切れしていますが、グーグルがプライバシー侵害で訴えられ、裁判でこう反論したという内容でした) 。

しかし、だからといって積極的に侵害して良いという論理にはならないと思うのですが。

それに、個人が同居人や近隣住民のプライバシーを侵害するのと違い、googleは巨大企業です。持てる力と社会に及ぼす影響が違うのです。そういう立場にあるからこそ、より一層その持てる力と影響について慎重になるべきではないのでしょうか。

この論理、とんでもない事件を起こしたどこかの宗教団体の「間もなくハルマゲドンでみんな死ぬから…」という主張にそっくりだと思ったのは僕だけでしょうか。



・規制する具体的な法律は存在しない、その通りかも知れません。しかし、それは反論にはなりませんよ。

先に書いた通り、憲法の規定は国家対国民のものであり、民対民にはそのまま適用されるものではありません、公序良俗や不法行為などの民法の規定を解釈・適用するに当たって憲法の考え方が取り入れられることはあるにしても。そして、これらの一般的な規定とは違う、具体的にストリートビューを規制できる法律は、俺は知りません。たぶん、ないでしょう。

しかし、法律は普通世の中の事象の反省として制定されるものです。今までの人類文明に全く存在せず、かつ、具体的な予測が困難なものをどうやって事前に規制するのですか?

例えば、今ならストリートビュー問題について真面目な議論ができますが、10年前だったらどうでしょう?SFだと揶揄されるか、無視されるか。1970年代のSF小説に携帯電話とインターネットが予言されていたものがあるそうですが、そういう先見性のある人がいたとしても「規制は時期尚早」ってなって終わりですよ。

というわけで、ストリートビュー以前にストリートビューを規制する法律がないのは当たり前です。



とはいっても、自由な人間の活動に国家的な事前規制・抑制・検閲がなされるべきだと言っているわけではありません。Googleに良心と自制を求めたいのです、上の通りプライバシー権や倫理の問題でかなりまずいところを行っているのは間違いないんですから。

例えば、日本に先行してサービスを開始した国や地域ではどうなっているのか知りませんが、日本では住宅用地と商業用地工業用地とは結構はっきりと区分される傾向が強いように思います。だから、商業用地のように人目について当たり前の区画に限定して写真撮って公開とか、早朝誰もいない時間帯に限って撮影するとか、もっといい落としどころはあったと思うのです。

とりあえず、今のストリートビューのかたちは決して望ましいものではないと思います。もっと議論をつくし、社会的な合意があってからでも遅くはないかと。

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